母が休みで、従兄弟と二人で、彼が先生役だった。
分からないことはすぐに聞けるし、やり直しもできる。
雑談もできて気楽でいい。
「お菓子をどうぞ」と言われて、
いくつか懐紙にとって、落雁を口に入れるとまずい。
おまけに変な臭までする。よく見ると形も良くない。
そのことを言うと
「俺が作ったったい」と笑っている。
何とも、えも言われぬアノにおいは、と問えば、
「盆の間、お仏壇で線香にいぶされたのだろう」という。
お盆明けだが、勘弁してくれと言いたかった。
薄茶がたっぷり点てられて、おいしかったが、
線香で燻されたにおいは口に残って取れなかった。