2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
貝原益軒を書こう 五十七 中村克博 佳代は一人で船長室となりの小部屋にいた。衝撃的な恥辱をくわえられ心身が消衰しきっていた。今から明の大型ジャンク船に行向かうことは告げられていた。そこに行けば根岸と会える。どのような顔をして根岸に会うのか、ま…
貝原益軒を書こう五十六 中村克博 航海は順調で何事もなく夜がすぎて朝をむかえた。船はさらに南下して蒸し暑く根岸はよく眠れなかった。船室を出て船尾甲板から遠くの海をみた。北を向いても南を見てもどこを向いても海しか見えなかった。西からの風が汗で…