ブログを体験してみる

はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

久しぶりにお茶の稽古があった。

一ヶ月休んだが、もう秋の季節になっていた。
いっしょに稽古している従兄弟が屋根から落ちて休んでいた。
いい年して屋根に上るなと言ったその日に足から落ちたらしい。

従兄弟は先月できなかったのでと、「洗い茶巾」のお点前をしていた。
僕は薄茶点前を二度やった。


昨日はエッセイ教室だった。


なわとび                  中村克博


 十日ほど前、妻と買い物に出かけた。最近できた電気の大型店の売り場を後ろから歩いていた。明るい店内には初めて目にする何に使うのか分からない新製品がいくつも目につく、簡易型のマッサージチェアーがあったので座ってみた。普通の椅子の上に置く簡単な形式だが機能が進化していて、記憶にある昔のより、すこぶる具合がいい。妻が足を止めてこちらを見ている。気持ちいいので試すように勧めると、興味がないのか、ためらいながら座っていた。
いろいろ寄り道して、お目当てのコーヒーメーカーのある売り場にまで、なかなか行きつけない。丸い形のロボット掃除機の進化にも驚いた。カメラが付いていて部屋の間取りや障害物を感知して掃除の手順を考えるのもある。電池切れになる前に自分で充電場所に出向くのは当たり前だが、溜まったゴミを捨ててくるのもあるようだ。住人が帰宅すると「お帰りなさい」と会話して迎えてくれるそうだ。そのとき、返事しないわけにはいかないだろうから「ただいま、ありがとう」というのだろうか。
プリンターの売り場にさしかかった。僕の使っているキャノンのプリンターは写真の印刷は綺麗で満足しているが文章の印刷が遅いのが不満だ。エッセイ教室に提出する原稿を両面印刷にして十人分もとなると熱いお茶をいれて来て飲み終わっても、まだガチャガチャ、ビー、ビー、と働いている。それに以前から、頼みもしないのに文字を勝手に斜体にする。それも思いついたように所どころでそうするので、作成者の僕が意識的に手を加えたようになるのが困る。買い替えようかと思うが我慢できないこともないので思いきれない。今日も横眼で見ただけで通り過ぎた。
通路中央の平台に特別処分の小間物が無造作に積まれていた。置時計やラジオ、電卓、懐中電灯、延長コードなどの中に、なぜか縄跳びの紐が見える。懐かしかったのか何となく手に取った。それを手にしたままキョロキョロ歩いているとコーヒーメーカーの売り場にやって来ていた。豆挽きの機能が付いたコーヒーメーカーを買おうと思っていた。感じのいい、学校出たてのような店員さんの説明を聞いて手ごろで気に入ったデザインのに決めた。
ところで縄跳びだが、家に帰ってさっそく、ベランダでコーヒーを飲む前に試してみた。飛べない。一回も飛べない。何度かこころみたが飛び下りた爪先の前に縄が止まっている。そんなはずはないのだが、やっと一回飛べた。そのうち、どうにか二回続けて飛べたときには息が上がっていた。やめにしてコーヒーを飲むことにした。
もともと縄跳びはうまくないのだから、縄跳びのことは二三日忘れていたが思いなおして、毎日、家の中を歩きときも、階段を上り下りするときも、素手でピョンピョンとんでいた。両足でピョンピョン、片足でピョンと跳んでいたら、そのうち、だんだん、爪先から、足首、膝、背骨、首と連動して柔軟に動くようになった。それで、なわとびを出してきて跳んでみると、十回、二十回とどうにかできるようになっていた。年のせいではない、使わない機能は退化するのだと思いなおした。使えばよみがえる。蘇って、よみがえりそうで、よかった。                 
 平成二十九年八月三十一日