天気がよくて、風がすずしくて、蚊やりを焚いて秋の斬試会。
記念の集合写真のあと、宗家の神事に続いて、厳粛だが楽しい斬試会が始まった。
スエーデンからの留学生に宗家とマイク師範が真剣の扱い方を指導していた。
斬試に前に行う作法を宗家が指導されていた。 太巻きが見事に斬れた。
高段者の左右袈裟連続斬り。
つぎつぎに、みんな思い思いの剣さばきが始まった。
柳心会の最高段者、この日は調子がお悪いようで、いつもの剣筋が拝見できなかった。
熟練者と若者の刀運びには、どんな違いがあるのだろうか、
若い師範は小太刀の剣筋の工夫を何度も何度もしていた。
巻き藁が斬られて、重なりはじめるころ、場が少しほぐれて会話の出てきたころ。
気持を新たに気を引き締めて、一刀両断の気構えで斬り下す。
宗家のおほめの言葉と指導をいただく。秋の日差しはまだ強い、折れ編み笠ならぬストローハットか。
高段者のみごとな土丹斬り、若い剣士の鋭い刃筋が光っていた。
マイク師範の絵に描いたような美しい一連の動作。
斬った後の納刀までの動作が手抜きなく丁寧になされている。
みんなが斬り終えた巻き藁の中から、まだ使えそうなのを取り出して、重ねて、
一回一回を丁寧に、ゆっくり、するどく、謙虚に確実に斬っておられた。
後片付けが始まった。
反省会と飲み会と食事会の用意ができていた。
乾杯の後は無礼講で飯塚名物、藤田流トンちゃんの鉄板焼きが始まった。
後は言葉にならない。一心に、減っていた腹をみたした。
マイク師範は酒断ちをしているそうだ。来月八日の、黒田藩伝柳生新陰流、宗家継承20周年記念、演武大会への願掛けらしい。
スエーデンからの留学生、トンちゃんは大丈夫かと思ったら、スエーデンの実家はメルボルン近くの牧場経営、牛の内臓は大好物らしい。
トンちゃんとは別に、山下さの奥さんから恒例の豪華な特性助六寿司の差し入れがあった。ありがたいことだ。