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はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

貝原益軒の若いころ、久兵衛は京都に・・・

12月14日はアメリカ大統領選挙の選挙人の投票日だそうだ。

全米50州とコロンビア特別区(首都ワシントン)に割り振られた選挙人は、各州とワシントンでそれぞれ14日に集まり、投票する。

ところが、テキサス州のパクストン司法長官(共和)が大統領選の手続きに不当な変更を加えたとして激戦4州を連邦最高裁に提訴した裁判に、他17州が9日、追随する方針を表明した。

しかし、連邦最高裁は11日、短い判決文で、テキサス州には原告適格(訴訟を起こすための原告としての資格)がないとして、同州の訴えを退けた。

ドナルド・トランプ米大統領は、全米の選挙当局が利用している電子投票システムを批判し、自分が獲得するはずだった数百万票が削除されたと訴えている。

そして、パウエル弁護士が大統領令発令を進言したらしい。

予定どうりにいけば、、

2021年1月6日

連邦議会上下院合同会議。選挙人による投票結果を開票

2021年1月20日

大統領就任式

なのだが、

トランプ大統領は今月のうちに緊急事態宣言を発令し、戒厳令が施行されるかもしれない。

バイデン陣営と共産中国さらに、その奥にいる何かとの全面対決がはじまるのだろうか・・・

日本のマスコミはすでにバイデンが大統領に決まったような報道をしているが・・・

なにかおかしい・・・

 

 

 

 

先週の金曜日、午前中はエッセイ教室だった。

提出した原稿は、  

 

 

     貝原益軒を書こう                 中村克博

 

 

 家並みがとぎれて月明かりに田畑が広がっているのが見えてきた。根岸の歩きが心もち速くなった。その先に鴨川が流れて、その河原の彼方の遠くに比叡の山なみが黒々と見える。久兵衛は額の汗を手の甲でぬぐった。道のはたに小さな林がある。根岸はそこまで来ると足をとめて背中の女人をおろした。

 久兵衛をふり返って言った。

「舟に乗る前に、ちょっと小用をすませたい。そばにいて目を離すな」

 久兵衛と女人を交互に見て、いそいで木立の中に消えた。久兵衛は自分も先ほどから小便がしたくなっていたのだが、目の前の女人が下を向いて小さな声で、自分も用がたしたいとつげた。はてと困ったが、こればかりは仕方ない。

「目の届くところですませてください」といった。

 女人は近くの草藪の影に身を屈めた。久兵衛は背伸びして女人の頭の先を確かめると、すぐに反対をむいて袴の右足をたくし上げた。先刻の緊張から解き放たれるように放尿した。何とも言われぬいい気分だ。今あるいてきた方角が暗く霞んでやっと逃れて来た闇のように見えた。大きく身震いして袴をなおした。向きなおって女人の方を見た。背伸はしなかった。まだ用足しは終わっていないらしい。根岸の姿もまだ見えない。

大きな木の下に暗くてよくわからないが古く苔むした石の祠がある。手入れがされて木の柵で囲んである。お地蔵さんではないようだ。何が祀ってあるのか、二三歩ゆっくり近づいて覗いてみた。月の明かりはとぼしくて石の扉は半分ほど開いているが祠の中は見えない。祠の横に石碑があって何やら書いてあるが暗くて読めない。突如、ガサガサッと音がして黒い塊が飛び出していった。久兵衛は叫びそうになるほど驚いた。狐かタヌキだろうか、いやもっと小さい動物のようだがノラ猫かもしれないと思った。我にかえって、女人の方を見た。小走りに草藪に近づいた。気配がない。草藪に入ってあたりを見たが女人の姿はなかった。林の中に入って暗闇を探したが見つからない。根岸から「そばにいて目を離すな」と言われていたのを思いだした。どうしようと思った。

根岸がやってきた。小さな水路があったので顔を洗って体の汗も拭いてきたと言った。女人がいないのに気づいて久兵衛の失策を察したようだ。根岸は林の中に向かって大声で叫んだ。

「そこの、こんもりした小塚は昔の墓ですぞ。胴体のない生首がたくさん埋めてある。入ってはならぬのを知りませんのか、埋められた怨霊に両足をつかんで土の中に引き込まれますぞ」

 根岸の大声が終えるのを待たずに女人は「わぁ~~」と嬌声をあげて暗闇の中から転げるように出てきた。根岸は笑って小さな肩に手をかけた。

「先をいそごう、舟が待っている」と言って腰をおろした。

 女人はもじもじして根岸の背に乗らない。

「どうされた、遠慮はいりません」 

久兵衛が控えめな言いようで、

「よろしければ今度は私が背負って歩きますが・・・」と言った。

根岸が立ちあがって、女人を見て、

「そうですね、そう願えればありがたい」

 久兵衛が背中にしていた荷物を前に移して女人の前に腰をおろした。根岸が大きな手で背中をそっと押して久兵衛は女人を背負って立ちあがった。女人は仕方なく背負われたが、背中から、

「もう、自分で歩けます」と小さく言った。

 月の明かりではよく見えないが道の両側に畑が広がっていた。今の季節はどんな野菜がそだてられているのだろうと思った。道は歩きにくかった。大八車の轍あとだろう両脇がへこんでいた。道の中ほどを歩くが草が生えていて足をとられて転びそうになった。始めのうちは背中の重さは気にならなかったが、しだいに息が荒くなっていた。両手で女人の左右の太腿を抱えていたが痺れを感じるようになった。何度も背中の女人をひょいひょいと上下して腕の疲れをまぎらした。

 肩越しに声がした。

「自分で歩けます。逃げたり隠れたりしません」

「いや、だいじょうぶです」と息をはずませて言った。

 久兵衛はついに腕と指先が痺れるように力が入らなくなった。どうしたものかと考え、女人の尻の下で両手を組んだ。こうすると女人の重さが、指でつながった両腕の上に乗るので腕や手に力を入れないですすむ。これで少しは楽になった。

久兵衛さま・・・」と背中から声がした。

 久兵衛と名前を呼ばれてうれしかった。

「はい」と言った。

「おろしてください、おねがいです。けして逃げはいたしません」

 吐息がかかる耳もとが心地よかった。女人の胸のふくらみを久兵衛は背中で感じるようになっていた。体が背負って歩く運動に慣れて来たのか、腕の疲れはなかった。久兵衛は組んだ両手がやわらかい女人の尻をささえている感触を楽しんでいるのに気づいて胸がときめいた。

「お疲れではありませんか」と、女人の声がした。

「はい、いい気分です」

「歩けますのに、すみません」

「背なにかけたお手を伸ばして、肩に両腕を深くかけていただくとありがたいです」

「こうですか」と言われるままに手を伸ばして久兵衛の首に巻き付けるようにした。

「ありがとうございます」

 女人の重さが久兵衛の肩と背中に分けられて手にかかる負担が軽くなった。女人の左の頬が久兵衛の首筋にふれていた。何とも言えない香の匂いがした。幸せで背の重みはまるでなかった。鴨川が見えてきた。川面の流れが月の明かりでおだやかにキラキラしていた。疲れはなかったがしだいにゆっくり歩いていた。遠くに根岸が立ち止まってこちらを見ている。

令和二年十二月十一日