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はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

昨日、エッセイ教室に提出した原稿は、


「アテナの銀貨」出版準備中       中村克博


 このエッセイ教室で書き溜めた「アテナの銀貨」を出版することにしました。出版と販売の展開を郁朋社さんに依頼して、先月からその作業が始まっています。小説原稿の本体とあらすじ、それに著者の経歴をSDメモリーカードに入れて先方に送っていますが一回目の校正が今月中に終了する予定です。それで次に、おもな登場人物を紹介する原稿を送ろうと思っています。
 本を出版するからには多くの人に読んでもらいたいし買っていただきたいです。本屋さんの店頭で、本の表紙が眼に留って手に取れば、まず、あらすじを読み、次に目を通すのが登場人物の紹介だろうか…と思う。
「これはおもしろそうだ」と思える登場人物の紹介をしたい。それで、教室の先生や皆さんにそのための助言と指導が頂けると有り難いと思い、お時間を拝借しようとしています。よろしくお願いします。 


おもな登場人物(出場順)


栄西
永治元年(1141年)〜建保三年(1215年)香椎宮の領家であった平頼盛の援助で南宋に遊学するが、平家が滅亡してからは鎌倉と親密になる。源頼朝から寄進された博多の地に聖福寺を、また北条政子が創建した鎌倉の寿福寺、さらに源頼家が創建した京都の建仁寺など多くの禅寺を開山する。日本臨済宗の開祖とされる。喫茶の習慣を日本に伝え『喫茶養生記』『興禅護国論』などの著書がある。
この物語では、南宋貿易の元締めとなる聖福寺を拠点に、我国のありようを模索しつつ朝廷や源頼朝との連絡に京、鎌倉を行き来する。日本国内に宋銭を普及させ、鎌倉による貨幣経済での支配体制作りに勤しむ。為朝と同年配の指南役でもある。 

為朝
保元の乱に破れて伊豆大島に流刑されるが、紀伊の熊野に逃れる。当時の熊野三山を支配するのは為朝の実の姉であった。平家が滅び頼朝が鎌倉を開くと九州に渡り彦山(英彦山)に隠れた。その為朝を栄西が訪ねることから物語は始まる。
鎌倉の追及を逃れるため、為朝は栄西のすすめで壱岐島へ逃れる。栄西にたのまれ平家の難民を琉球へ運ぶが途中でイスラムの船団との海戦を余儀なくされる。そのおり海商マンスールと出会う。琉球からの帰途、マンスールが為朝に随行することを願いでる。マンスールから贈られた優美なイスラム船で宋銭一万貫を敦賀の海まで運ぶが、朝廷からの密使が急ぎ京に出向くようにとの、みことのりを伝える。

定秀
豊前彦山の修験僧で刀鍛冶、保元物語では為朝に従う三町礫の紀平次として登場する。敗れて奈良の東大寺千手院に逃れ鍛刀の技を十余年修練した。後に彦山三千八百房、坊舎八百の学頭を務める。豊後国僧定秀作と銘文の太刀が現存する。豊後行平の祖である。

沙羅
定秀の娘。幼い時から兄とも慕っていた行忠の嫁になる。源新宮行忠は為朝の甥であるが栄西のはたらきで夫婦して豊後大友の地に移り住む。これによって彦山は鎌倉との和睦がなる。

丁国安
博多に居住して交易船数隻を采配する南宋の貿易商人、南宋の都、臨安に家族がいるが宗像神社の宮司の娘タエを歳の差のある嫁にして恐妻家の博多網首である。栄西とのつながりが深く、為朝とともに琉球まで十一隻もの外洋船団を率いて航海するが途中、トカラの海でイスラム船団との海戦に遭遇する。

タエ
宗像神社の宮司の娘、幼い時から海と船が大好きで腰には家伝来の小太刀を差している。夫の丁国安の船に乗って航海するのが楽しみの世話女房である。 

チカ
壱岐の国、芦辺の豪族西文慶の娘、海も好きだが馬に乗るのも巧みである。半弓の使い手でもある。アラビアの海商マンスールを婿に迎える。

行忠
第十九代熊野別当行範の息子。叔父の為朝に従い熊野から彦山へ来る。彦山の僧定秀の娘を妻として豊後に移り、名工紀新大夫行平になる。行平は後鳥羽上皇番鍛冶の一人、国宝・古今伝授の太刀などの名刀を鍛造した。 

惟唯
豊後、大神一族の名門、戸次家の嫡男。彦山に暗殺団を率いて為朝を襲い失敗し負傷する。許されて為朝に従う。為朝軍の将として鬼界ヶ島の陸戦で頭に重傷を負う。のちに平戸松浦の二の姫に婿入りする。 

兵衛
黒崎兵衛、先祖は安倍宗任と共に筑前大島に流された蝦夷の豪族の末裔、壱岐芦辺の沿岸帆船の船頭であるが大型の外洋交易船の船長も務まる。海戦での操船も巧みである。海ではいつも為朝のそばにいる。

次郎
高木ノ次郎といい豊前添田地侍の息子である。為朝に従い平戸の海戦、鬼界ヶ島の陸戦、トカラでのイスラムとの海戦と戦いにくれる。そのおりマンスールと同じ船室で戦傷の養生をして義兄弟の仲になる。高麗の海賊との戦いでも重傷を負いマンスールの美しい女奴隷の介護を受ける。その二人を嫁にと進呈されて戸惑う。

マンスール
アラビアの海商、十字軍と交戦中の本国へ鬼界ヶ島の硫黄を送ることが使命であったが、イスラムエルサレムを奪回してキリスト教軍と休戦になりマンスールは仕事がなくなった。主人でもあるイスラムの盟主サラディーンが死亡したことにもより、為朝に従い壱岐島に渡る。
栄西の密命を受けアラビアの船団を率いて黄海を渡り金国に交易する。その帰途についた夜明けほどなく南宋の戦艦に捕捉され壮絶な海戦を展開する。のちに壱岐芦辺の姫、チカの入り婿になる。

イヌブル
マンスールが父から譲られた奴隷兵マムルークの隊長、マンスールの忠実な部下でアラビア船団の指揮を執る。マンスールを迎えに壱岐まで来るが、なりゆきで金国との交易に黄海渡航するが往路で高麗の海賊に襲われ、帰途には南宋の戦艦が待ち伏せていた。どうにか壱岐に帰り着き、マンスールから船団を乗組員ごとゆずられアラビアに帰還する。

月読神社の女宮司
京の朝廷から派遣されている壱岐の月読神社の女の宮司、月読神社には為朝の本陣が置かれ、五人の巫女と為朝の身の回りの世話をする。為朝とともにアラビアの船で敦賀の海へ、のどかな航海をしたおり、京でともに暮らそうと誘う。

平戸の二の姫
平戸松浦の次女、平戸水軍の指揮ができる女将、体も大きく髪は潮焼けして茶色であるが和歌をたしなみ教養もある。栄西のとりなしで、戸次惟唯を婿養子にし、その妻となる。これによって平戸松浦は豊後の大友とは姻戚となるが為朝とのかかわりが、むつかしくなる。

二人の禅僧
聖福寺の若い禅僧で、宋の言葉を上手に話す。武勇に優れている。諸学を学び、交易事務や庶務に明るい。栄西の意向を忠実にはたし為朝にいつも随行して補佐している。