ブログを体験してみる

はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

本を読んで解るような間柄ではないが・・

国と国の長い歴史をある時期に限って理解しようと思って、本を数冊読んでもどれほども解るとは思わないが、それにしてもこんなに解りやすい日韓の近代史は初めてだった。
数日前に読んでいたのだが、感想がなかなか浮かんでこなかった。200ページ足らずの本だが、執筆の参考にした学術書、国家間の議定書、条約文書、国や政界名で出された機略や論文、それに事件や事変などの歴史的な出来事を普遍的に整理して書かれているが、読みやすい。専念すれば一日で読める内容だ。
時の変遷を追って書いてあるので、物語的に読めるのも楽しい。1896年2月、朝鮮王朝の故宮景福宮の正門の前で 金弘集 が殺害される。金弘集は時の朝鮮王朝の宰相である。
世界の歴史を見れば一国の宰相の暗殺は枚挙に暇がないが、金弘集の場合は不意の暗殺ではない。殺されるのを十分に知りながら「天命である」と言って自らその場所に赴いたそうだ。こんな暗殺は、これを置いて寡聞にしてしらない。と筆者は言う。この政治家が懸命にこの国を指導していった期間、イギリス、ロシア、清国、日本、アメリカ、フランスなど、武力を裏付けにする列強の中でいかに堂々と文の限りを尽くして戦ったのかがわかる。


著者について
岡本隆司(おかもと たかし)
1965年、京都市に生まれる。1993年、宮崎大学教育学部講師、宮崎大学教育文化学部助教授をへて、現在、京都府立大学文学部准教授。
著書 『近代中国と海関』(第16回大平正芳記念賞受賞、名古屋大学出版会、1999年)、『属国と自主のあいだ——近代清韓関係と東アジアの命運』(第27回サントリー学芸賞受賞、名古屋大学出版会、2004年)