朝の散歩で、藪の奥に山椒の実が赤く見えた。

背丈ほどか、もっと高い草が茂って、これでは実の採集は簡単にできそうにない。

引き返して脚立を担いできた。腰には蚊取り線香をぶら下げて、
脚立に上ると赤い実が朝日に照らされて目の前にあった。

赤い実がビニール袋の中で両手いっぱいになった。
あたりの空気もサンショの匂いでいっぱいになった。

手の届かない枝の上の方には沢山の山椒の赤い実がなっていた。
木の下ではグリュックがやぶ蚊に囲まれて待っていた。
親戚の七回忌の法事に出かけた。頼まれていた山椒の実を渡すと喜んでいた。