ブログを体験してみる

はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

車を買った。筥崎宮でお祓いをしてもらった。

これまで愛用していたトラックをスバルのWRX STI にかえた。

本殿で神事の後、車のドアやトランクを開け神主さんが御幣を振って祓い清めてくれる。

若い神主さんが「いい車ですね」といってくれた。若者にも人気がある車種かもしれない。
筥崎宮は参拝者が行列を作っていた。

筥崎宮から宗像大社に出かけた。こちらも参拝者が多かった。

妻がじっと厄年年齢表を見ていた。僕ものぞくと昭和21年生まれは八方塞がりだった。

ユネスコ第41回世界遺産委員会は2017年7月9日、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産へ登録を決めた。
名称は「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」、構成資産は8資産のすべてが認められた。そうだ。


先週の金曜日はエッセイ教室だった。
       竹の貯金箱                  中村克博


 この二、三日は時間のあるときに竹の貯金箱を作っている。まずは、適当な材料を切ってこようと竹林に行った。今月の十日ごろから三日間かなりの雪が降った。雪といっても南国九州だから積雪が膝まで来ることはないが三、四年ぶりの大雪だった。そのとき竹は枝に雪をかぶった重みで曲がる。高さが十五mほどの孟宗竹が頭を地面につける程に曲がる。不思議にどの竹も場所ごとに同じ方向に真っ白になった頭を下げるのはおもしろい。
 家の竹林は手入れをしないので竹の大きさが不揃いだ。太さが二〇cmもある真っ直ぐな竹の傍に、七夕に五色の短冊を飾ったら良さそうな竹があったりする。だいたい一五cmくらいのが多いが、中には蔦が絡んで斜めに傾いているのもある。赤い実をつけた千両か万両が目に付く、枯れた古い竹が倒れて重なって進路を妨げる。大きな孟宗が雪で根っこから倒れたままのがあった。
 これを使おうと思った。根っこの近くは直径一五cmほどだが貯金箱には大きすぎる。だんだんに細くなる直径一〇cmほどから上を切った。節の間隔は三〇cmほど、枝が二本対になって節ごとに交互に生えている。この枝を三cmほど残して下から上へ切っていった。直径五cmくらいのところで竹の先を切り落とした。
これは斜面に生えていた竹で、先の方はシャクナゲの木に倒れかかっていた。雪におおわれた大きな竹に押さえつけられていたシャクナゲは、枝こそ折れてはいなかったがひしゃげたように這いつくばっていた。
近くを見るとシャクナゲが数本目につくがどれも枯れた藪や蔓草に埋もれたようになっても逞しく大な葉を付けている。手入れをしたことが無い。昔この近くに一〇〇本ほどのシャクナゲがあったのだが今は何本残っているのだろう。幸運でたくましいシャクナゲだけが人の背丈より大きくなって、毎年、春が過ぎるころ薄いピンクの大きな花を咲かせる。
枝を落とした竹は長さが一〇mほど、家の近くまで引きずってきた。貯金箱は竹の節から節で一個となる。つまり使えるのは全長の半分になる。まだ、まだ数が足りないので再び竹林に登っていった。適当なのはないか見ていると竹林から離れ根を伸ばして生えているのが数本ある。杉林の中にも大きな孟宗がチラホラ見える。まずそれらの竹を切ってまわったので余分に時間がかかってしまった。
おかげで目に入る風景が良くなった。そうなると今まで気にならなかった邪魔な草木が目立つようになる。道の上に重なる雑木の枝を切った。目障りな笹薮を切り開いた。若い山桜にからまる雑木を切ろうと、ついには長いアルミの梯子を持ち出してきた。山桜がスッキリなるころには夕日が山に隠れて辺りが暗くなりはじめた。
あわてて、先ほど切り倒した孟宗竹から貯金箱の材料になりそうなのを二本、枝を落として家の近くに引っ張ってきた。夕日はすっかり落ちて辺りは暗くなっていた。貯金箱作りは明日になる。妻から頼まれていたのは一〇個から二〇個ほど、多ければもっと良いそうなので取りあえずこれだけの材料があればいいだろうと思った。
次の日は寒気が緩んで朝から小雨が降っていた。貯金箱の材料になる竹を一個ずつ大まかに切り分けて水で洗う。水が切れたらガスコンロの火であぶって竹の油を浮き出させる。熱い油分を布で拭くと竹は光沢のある青い緑に変身する。子供のころ父親が長い竹を焚火の炎にくぐらせていたのを爆発しないかとハラハラしながら見ていたのを思い出す。たぶん母のために物干し竿を作っていたのだろうと思う。
ひとつずつ深い緑になった孟宗竹を鋸で整える。この場合、鋸は目の細い竹切り専用を使う。鋸は力を抜いて軽く引く、長く引く、竹を手前に回しながら切っていく。余分な竹を切り落とすとき表面の皮が剥がれないように注意して、そっと指をそえてやる。最後に硬貨を入れる隙間を空ける。鋸で二筋を引き、先の鋭い切りだし小刀で細長い穴をあけ、五〇円玉で具合を確認すると完成だ。
子供のころを思い出した。お小遣いが足りないとき竹の貯金箱から十円玉や五円玉を取り出していた。竹の隙間に物差しのような薄い板を差し込んで竹の貯金箱をひっくり返す。そして、そっと、薄い板を引き出すと十円玉が顔を出す。ときどき五〇円玉が乗っているとうれしかった。
いよいよ妻に出来具合をみてもらう。
「うわぁ、きれいね、みんなが喜ぶよ。ありがとう」
取りあえず、竹の貯金箱が六個だけできあがった。明日の金曜日に生け花教室に持っていって要望のあった生徒さんにプレゼントするそうだ。土曜日までにあと一五個ほど作ろうと思う。そうだ。硬貨を入れる隙間はもっと大きくしよう。子供がプラスチックの定規を入れて竹の貯金箱をひっくり返すと五百円硬貨を取り出せるくらいがいい。
平成三十年一月十八日