今は草か刈りなどの作業着に愛用している。
デザインも色柄も、特に気に入っている訳でもないのに
襟も袖口も擦り切れて胸には穴も開いている。
たぶん20年以上着ている。なぜか着ていて安心なのだ。
こちらは10年以上着ている。
どうして捨てないのか分からない。
着やすいのだろう。材質がしっかりして、作りが丈夫なのだろう。
洗い立てをパジャマとして着るとまたいい。なぜか着ていて安らぐのだ。
これは5年以上使っている。
始めはヨットのセーリンググローブだった。今は草刈などの作業用だ。
革用の縫い針で修理するたびに執着がわく、自分が作ったような・・
あまり着ることは無いが思い出がある。
十数年前になる。バンクーバーに移住した旧師を訪ねた。
たしか冬が近かった。二人で街を歩いていたら雨が降ってきた。
目の前の店先にオイルスキンのジャケットが吊るしてあった。
気に入ったので試着して、そのまま外に出た。
フードが着いていて、オイルが雨をはじいて温かだった。
旧師の友人は寒そうに濡れながら、前を歩いていた。
今はオイルも抜けて色もあせたが、ほんとうに暖かい人は思い出もあったかい。