台風が近づいていて雨が降り蒸し暑い天気だったが
柳心会で用意した紋付き袴に着かえて、刀の装着から体験していた。
まずは基本的な刀の抜き方を教わった。
実際の抜刀の仕方は無限自在にあるのだろうが、最初は安全第一に。
正中一文字の基本刀法の体験、この技、簡単のようでむつかしい。
僕など十年もやっていて、まだまだ出来ていないことに気が付くときがある。
マイク師範からの親切な指導で、すこし日本武士の精神に触れただろうか。
アメリカ人のマイク師範がドイツからの若者に
日本古来の居合を教えるのはおもしろい。独自の伝統文化が国際的になっていく。
刀を鞘に収める納刀のとき、鯉口を指で包み込むことを宗家が教えていた。
刀身が指に触れるので危ないようだが、これが安全で確実な刀の納め方の基本だ。
体験の後は記念写真を撮った。ドイツに帰ってどのように体験を語るだろう。
そういえば、オイゲン・ヘリゲルというドイツの哲学者が記述した
「にっぽんの弓術」という本がある。
昭和の初めに日本で弓術の修業をした体験をベルリンで講演したときの原稿が
原文らしいが、そのなかに、「的にあてることを考えるな、ただ弓を引き矢が
離れるのを待って射あてるのだ」という師範の言葉に当惑しながら・・・とある。
居合なら、さしずめ「斬ることを考えるな・・・」ということになる。
考えさせられる・・・