主人はしばらく眺めて、備前物のいい刀だと言ってくれた。
研ぎ直せば地肌も刃紋も見事に出るそうだ。
しかし、この際だから、これはしばらくこのままで斬試用にすれば、と言う。
身幅もあるし、重ねも厚いので丈夫だし、良く切れるそうだ。
陳陳列ケースには刀が沢山展示してある。
来るたびに段々に目が肥えて良いものが良く見えてくるようだ。
居合道が上達すれば、脇差もそのうちに欲しくなるのだろう。
良い刀は姿も形も感覚的にいい気分になるが、良く見ると地肌も美しい。と思う。
刀を写真に撮るのは難しい。一眼レフのいいやつでライティングに工夫がいるようだ。
肥前の宗次が目に留まった。
刀身2尺4寸2分で73cmほど、反りは2cmほど、振った感じがいい。
枝菊が茎(ナカゴ)にある特別貴重な刀もあったが、それより宗次が気にいった。