夜の9時過ぎに高松駅に着いた。すでに盛り上がっていた宴席に馳せ参じた。
先日、小鳴門の港に避難していた「ひらひら」は高松の友人達が種々の悪条件の中を回航していた。
翌朝、5時に「ひらひら」二世はハーバーを出航した。
高松近辺の海を良く知っている女性が乗っていた。真っ暗な湾港を出るのに心強かった。
7時ころ瀬戸大橋の下を通った。
瀬戸の海は穏やかだった。寒さもそれほどではない、と言う人もいた。
どこの海の夜明けも日の出は美しい・・
海図を見た後、これからの航海をイメージしているようだった。 舵とる顔が明るかった。
海の上では、おにぎりが美味しい!! 良く食べる!!
ベテランほど用心深い事がよくわかる。いつも前を見ている。時々は後ろも見る。若者は空を見る。
・・・・ 次は・・ 給油はどこで・・ ・・・・ 同舟異夢 ・・
右前方に伯方島が見えてきた。左手は大島、村上水軍の本拠地のあった地域だそうだ。
二つの島をつなぐ、しまなみ海道にかかる橋の名前は分からない。(写真は14日13時49分)
橋を過ぎると風が強くなった。 天気はいい・・
近くの港に入れた。 給油をするためだ。
港を出ると海は時化ていた。
来島海峡に架かる橋が遠く後方に見えていた。
日が傾き寒さが増してきた。北西が体に浸み込むようだった。
瀬戸は日暮れて 夕波小波
航海一日目の日が沈む、航海灯を点けた。
2日目、15日の朝を迎えた。豊後水道を通って周防灘に入っていた。
小野田の街の見えるころ給油をした。海は穏やかだった。
10時18分、関門海峡に入った。 関門橋を通り抜ける栄誉は若いクルーに与えられた。
雲が低く空は暗かったが波は小さくていい風が吹いていた。西流れ5ノットだった。
海峡の左端に寄って通った。めかり神社の付近は潮流がきつく渦が巻いていた。
ベテランヨットマンが時々注意と指示を出していた。 若い舵とりは難なく乗りきった。
若者は良く食べ良く眠る。響灘をぬけ、大島と地島の間を通った。 いよいよ玄界灘に帰って来た。
夕方7時ころ博多に着いた。小戸のハーバー、「ひらひら」の専用バースに接岸した。
愉快で、楽しい航海だった。寒くてきつくて辛かった。二晩あまり寝なかった。
もう二度とこんなひどい事は嫌だと思った。が、きっとまた、こんな航海をしたくなると思う。