毎年この時期の恒例行事だが、だいたい雨が降る。
朝七時過ぎ、天神からマイクロバスで二時間ほど、せまいバスの中はいろんな話で楽しい。
本殿までスロープカーで昇った。 待ち時間に駅にある山伏関連の資料を見てまわった。
スロープカーから見る奥深い山の景色は霧でけむっていた。
境内にはまだ参拝者の人影はなかった。
長岡宗家以下の門弟のために神事が行われた。 僕は新しく拵えを作った稽古に使う肥前忠吉を神殿でお浄めしてもらった。
宗家の四方払いのあと、門弟たちの演武の奉納がはじまった。
高段者の演武は鳥肌が立つほどに素晴らしい出来だった。
斬り込む宗家の形相が山伏の資料室で見た鬼の面とダブって見えた。
宗家とマイク師範は空気のような流れるような試立ち打ち太刀だ。
清水師範の斬り込みをかわすマイク師範の顔が山伏の資料室で見た天狗の顔のようだった。
無事に終わって清水師範の笑顔がみえた。
後片付けも師範が率先して、これも黒田藩伝の流儀のようだ。