ブログを体験してみる

はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

小さな鯉がみあたらない。

天気がよくて日差しは暖かだが空気は冷たい。
お茶の初稽古だった。筒茶碗をしたが、いろいろ点前を忘れていた。

寒い朝だった。池に氷がはっていた。氷の下で池の鯉は集まって動かない。小さい鯉はみあたらない。


昨日のエッセイ教室に、小説の原稿を出したとき
為朝の詠んだ上の句に、下の句を付けるように提案があっていた。
帰宅して母にそのことを話して、下の句をお願いした。
僕が引用した為朝の詠んだという句は、昔、父が詠んだ句で短冊に書いてあった。
それで、下の句は母にお願いするのがいいだろうと、帰りの運転中に気づいた。


上の句は、
夕まぐれ島もおぼろにあめにくれ
お願いした下の句は、
さきゆく小舟ひとかげはるか
もう一つ、
人かげ見えず櫓のきしみかな
そのためにお仕舞の展開がこのように変わった。


「芦辺の海人もアラビアの船には手こずるようじゃな」
 左舷の方に漁を終えて帰路をいそぐ戻り舟の影がゆらいでいた。
「あ、そうそう、話は変わりますが、朝廷では後鳥羽上皇さまが勅撰和歌集の編纂をご命じになるようでございます」
「さようか、わしには心得のないことじゃ」
「そうでしょうか、なにか出されては…」
「そうだな、では詠み人知らず、でな」
「何か浮かびましたか」
「うむ、夕まぐれ島もおぼろに雨にくれ、ではどうじゃ」
隠岐の島をうたったのですね。でも雨は降っておりませぬが…」
「そうか、もうすぐ降るはずじゃ」と言って右手の甲で瞼をぬぐった。
 女の宮司がほほえみながら下の句を、
「先行く小舟ひとかげはるか…、もひとつ、人影見えず櫓のきしみかな」
「うむ、どちらがよいであろうな」
月がでていた。女がつぶやくように、
「物思ひてながむる頃の月の色にいかばかりなるあはれそむらん」
為朝がそれに続けて、
「ながむとて花にもいたくなれぬれば散る別れこそ悲しかりけれ」
「こちらも、西行法師の詠まれたお歌なのですね」
西行法師すなわち佐藤義清は平清盛とは同い年、ともに北面の武士であったな」
西行法師さまはその後、女院さまとはお会いにならず…、ですが私はいやです」
「わしも、同じだが、いたしかたあるまい」
「いえ、かないます。いっしょに京にまいりましょう。栄西さまがなぜ一千万貫の宋銭を運ぶお願いをされたのかお判りでしょうに…」