グリュックの生家の山荘に寄った。主がせっせと芝生の手入れをしていた。
５００年ほど前、この辺りの争いで戦死した人を弔った千人塚がある。そこに入れ忘れられた兵士が一人いたらしい。畑の隅にいたので村人は誰も気付かなかったようだ。それ以来、死んだ畑の近くに数百年もさ迷い出るようになった。昨年、畑の主のおじいさんが小さな祠を建てた。兵士達は殺しあっても畑は荒らさなかったようだ。農民はタバコでもふかして戦振りをながめていたのだろう。どちらが勝っても大した変わりは彼らにはない。
今朝、通りかかると赤い花が添えてあった。時々はカップ酒まで置いてある。グリュックがお供えの団子でもいただこうとおもったようだがそれはなかった。なぜ目の前にある千人塚に合祀しなかったのだろう。待遇はこちらの方が格段にいいが・・
