朝の散歩で、久しぶりに田んぼを見たら稲が無残にのたうっていた。今度の台風は風はそれほどではなかったが速度がノンビリだったため雨風にさらされた時間が長くなった。
田んぼの写真を撮っていたら、農家の人が倒れた稲を見ながら話をしてくれた。
「実がよけい付いて、頭が重たい稲がやられたですたい」
「こうなったら、もう刈り取るしかない・・」
「機械が入りますか？？」
「倒れた方向が同じ向きやから、コンバインは使える・・」
「倒れていない田んぼもありますね？？」
「出来が良うなるごと思うて肥料をやるほど、背も伸びて倒れやすい・・」
「肥料を控えた田んぼはふとりが遅い、賭けですたい・・」
「こんなに早く刈り取っても食べれますかね〜？？」
「実が細い米は選別機を通過する時、下に落ちて屑米になる・・」
話を聞いた後で、倒れていない稲の写真を撮りに戻った。これまで、この田んぼを
見るたびに何故発育が悪いのだろうか、失敗作だろうと思っていたが、
この田んぼの持ち主の思惑が運良く当たって成功だったのだ。
