右の写真の様な行為はもう見られないのだろう。この写真は今月10日、つい3週間前のものだ。そういえば、朝の散歩で数日リュウの姿を見かけなかった。
今日、昼過ぎに散歩にでると遠くから家の庭先に繋がれているのが見えた。グリュックを見つけると大声で、呼ぶように訴えるように鳴きはじめた。その時には事情をまだ知らなかった。いや、事情などと言ってはいけない。自分に置き換えてみれば大変な異常事態だ。非常、いや、非情事態だ！！
カメラを向けるのはためらわれた。ナンとも情けない顔をしている。生き生きしているこの写真は3週間前のものだが、今日、同じ位置にいるリュウを同じように下から見ると、下ばかり向いて鼻が地面に着きそうだ。互いにとても正視しあえない。
男子の一物は弾袋も砲身も辺りは丹念に剃り上げられてた。白い皮膚がてかてかと赤く腫れていた。弾袋をよくよく見ると縫い目がぽつぽつ見えるではないか。黒い糸の縫い目がサボテンのイガのように見えた。
飼い主が言った。
「去勢したとですたい」
何となく口ごもっていた。
逡巡した結果だったのだろう。
「そうですか・・」
良かったですねとはいえない。
可哀想にともいえない。
