母にお願いしていたら了解してくれた。同い年の従兄も一緒に始めた。
これまでにも母に習ったことはあるが僕は引退前だったし続かなかった。
袱紗のさばき方からお辞儀の仕方立ち居など初歩の基本から指導を受けた。
これまで、形にはまる作法に、仕組みに、制度に、抵抗して生きてきたようだ。
居合道の師範が言った。
「修・破・離と言いますが、破や離は皆さんにはありません」
「ただ、ひたすら修です」
そうだろうと思った。
天与の才能を持った武芸者が命のやり取りと人生を掛けて修行したことを
数百年も直伝の宗家に伝承されてきたことを...
還暦を過ぎた暇人が、とんでもない事だと思う。
これからの年月はもっと謙虚にもっと素直に過ごそうと思う。
