ブログを体験してみる

はてなダイアリーの創設時期からブログを体験してみようと書きはじめてながい年月が経過した。

小谷真三さんの作品のようだ。


いつだったか、もう随分前のような気がする。土産屋が軒を並べている川沿いを大原美術館の方にぶらぶら歩いていた。寒かったが天気は良かった。一軒のこじんまりしたショウウインドウの青いガラスの瓶に目が留まった。
店に入ると八十はとっくに過ぎていそうなおじいさんが一人でいた。薄くなった白髪を短く刈り込んだがっしりした体格で笑顔が鷹揚だった。たのんで青い瓶を取り出して見せてもらった。おじいさんは何度も作家の名前を言っていたが聞き忘れた。まだ始めたばかりの頃の作品でその作家とは古い知り合いだと言っていた。
幾らですかと問うと分からないという。むかし自分が仕入れたのだと自慢げに言う。今では有名なガラス職人になったとその作風の説明をしていたが値段がわからないでは困った店番だ。
ほかに買うものはないかと店内を見たが目に留まったのは欅のお盆くらいだ。しかし、こんなものは何処にでも売っている。店を出ようと表に向きを変えたら先刻の青い瓶が目に入った。もう一度手にとってながめながら「幾らかね〜」と呟いたら、意外と返事が返って来た。
2万円だと言う。確かそのようだった‥ 2万5千円だったか‥ 「え〜、たか、高いね〜 」と言うと、今ではそんな値段ではないと言う。 傍に人がいた。この日の思い出になると思った。
先日、陶器などに趣味のある人が部屋に来た時、この青い瓶を目にして手で撫で回していたが、「小谷真三やね」と一言言った。「いい形をしとおね」といって元に戻した。 早速Webで調べてみた。同じような瓶がびっくりする値段で載っていた。